2024年04月11日
【受賞/表彰等】原子力国際専攻笠原研究室 Yiji Yeさん(D3)が「第27回原子炉構造力学国際会議(SMiRT27)」において「Heki Shibata Early Career Award」の第1位を受賞しました
2024年3月7日、原子力国際専攻笠原研究室 Yiji Yeさん(D3)が「第27回原子炉構造力学国際会議(SMiRT27)」の「Heki Shibata Early Career Award」において、受賞対象者130件の中の第1位を受賞しました。
【受賞名】 Heki Shibata Early Career Award, 1st Prize
【受賞研究】
タイトル:原子炉構造レジリエンスを向上させる破損の拡大抑制技術の開発(3)過大地震に対する原子炉容器の破損拡大抑制
概要: 過大な地震が発生すると、高速炉主容器 (FRMV) は薄肉の円筒構造のため座屈しやすくなります。ここで崩壊や破断を引き起こさない座屈変形は、設計想定を超える事象 (BDBE)に対する限界状態としては適切ではありません。代わりに、安全性の目標は、座屈後の安定した状態を達成することです。本論文では、2種類の薄肉円筒モデルに強い水平振動を与えて座屈を引き起こし、座屈後の挙動を実験的に研究しました。座屈変形が生じると、入力振動数に比較して固有振動数が低下して、外力が伝わりにくくなることから、激しい加速度が入力され続けても座屈後の応答が発散することはありませんでした。さらに、高さが半径に比較して高い円筒は低い円筒よりも座屈後の破局的な崩壊に対して優れた復元力を示すことが確認されています。この研究で得られた知見は、過大地震時の安全性への影響を抑制するための受動的安全構造の開発に貢献すると考えられます。
【感想と今後の予定】
この賞を受賞できて本当に光栄です。この評価は私にとって非常に意味があり、大きなモチベーションの源となっています。指導教員の笠原先生、一宮先生には、格別のご指導、ご支援を賜り、深く感謝申し上げます。今後の研究では、設計想定を超える事象に対する破損の影響を抑制するための受動的構造の開発に取り組み続けるつもりです。