教員紹介教員一覧

原子力エネルギー Nuclear Reactor Safety

Nuclear
Reactor
Safety

岡本 孝司教授

OKAMOTO Koji岡本 孝司教授

1961/神奈川
okamoto@n.t.u-tokyo.ac.jp

ウェブサイト

シビアアクシデント・
原子力安全・ビジュアリゼーション

原子力発電所のシビアアクシデント事故では、燃料が熔融し構造材を溶かし込みながら流れていきます。この現象はmulti-physics, multi-phase,multi-dimension など、非線形現象のかたまりです。例えば福島第一原子力発電所事故も、その現象自体は非常に複雑で、未知の現象に満ち溢れています。このシビアアクシデントを中心とした、原子力発電所などにおける安全を確保するため、様々な伝熱流動現象を実験及び計算により解明しようとしています。これらの成果は、国際協力研究や、新型の原子炉設計、福島の廃止措置などに応用され、世界に貢献しています。また、可視化(Visualization)技術の応用開発も進めています。そのままでは見ることの出来ない物理現象や複雑情報に、人間が積極的に手を加えて視る事の出来る形にする、21世紀の科学です。原子力エネルギーを巡る情勢は大きく転換点を迎えています。今までの路線を単純に走るのではなく、新しい価値観の元で、原子力エネルギーの安全活用、新型エネルギーシステムなど、チャレンジングな分野に、Trail Blazerとなる人材を求めています。

担当の専攻・センター等

本務:原子力専攻
兼務:原子力国際専攻、JAEA廃炉国際共同研究センターセンター長

キーワード

福島第一廃炉工学、原子炉熱流動、高温ガス炉、流体可視化計測、V&V

Nuclear
Reactor
Safety

笠原 直人教授

KASAHARA Naoto笠原 直人教授

1960/東京
kasahara@n.t.u-tokyo.ac.jp

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高温構造システムの
解析による設計

原子力プラント、火力プラント、化学プラントおよびロケットエンジン等は、熱・流体・構造が関係する複雑な高温構造システムです。これらを安全に設計し運用するには、熱流動現象に基づく荷重の発生から、構造の応答と材料の強度までの全体を理解し、それらを統合した解析評価が必要となります。当研究室では、荷重・応答・強度の一貫評価モデルを考案することにより、安全性と信頼性に優れた高温構造システムを実現するための研究を行います。
本研究室に学ぶにあたり、原子力の特別な知識は必要ございません。原子力、機械、電気、物理、化学など幅広い分野からの学生を歓迎します。

担当の専攻・センター等

本務:原子力国際専攻
兼務:JAXA客員研究員

キーワード

構造解析、高温強度、信頼性評価、原子炉構造工学、高速炉

Nuclear
Reactor
Safety

斉藤 拓巳准教授

SAITO Takumi斉藤 拓巳准教授

1977/長野
saito@n.t.u-tokyo.ac.jp

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放射性核種や有害物質の
環境動態研究

放射性廃棄物の処分の実現は、原子力発電の便益を享受してきた我々世代に課せられた責務だと言えます。特に、放射能レベルの高い廃棄物を深部地層中に処分することが考えられていますが、その実現には、処分の性能評価の信頼性向上が必要です。私の研究では、特に、天然バリアと呼ばれる地下環境中での放射性核種の化学挙動の理解を目的にしております。地下環境中には、核種と相互作用する様々な物質が存在しているため、核種がとりうる化学形は多岐にわたります。そのような核種が経験する地球化学反応の中から、その移行挙動や反応性を支配する主要な反応を抜き出し、そのメカニズムを理解し、反応をモデル化することを行なっております。さらに、このような研究を通して得られた知識・ノウハウを、福島第一原子力発電所事故由来の放射性核種の土壌中での固定化メカニズムの研究、さらには、一般の有害物質の環境挙動に関する研究へと展開させております。

担当の専攻・センター等

本務:原子力専攻
兼務:原子力国際専攻

キーワード

放射性廃棄物処分、環境動態、物理化学、地球化学、放射化学

Nuclear
Reactor
Safety

関村 直人教授

SEKIMURA Naoto関村 直人教授

1958/岐阜
sekimura@n.t.u-tokyo.ac.jp

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システム安全学、システム保全学、
原子力材料の照射損傷と経年劣化管理

巨大複雑系社会経済システムの安全学と保全学、原子力材料の放射線照射損傷と経年劣化対策が研究室の主テーマです。原子力材料の劣化予測手法研究としては、軽水炉圧力容器の照射脆化、炉内構造物の照射誘起応力割れ等を対象としたイオン照射試験等による実験研究を行うとともに、メカニズムに基づいたマルチスケールシミュレーションに取り組んでします。リスクデータに基づく保全最適化や知識ベース構築等のシステム保全学研究を進め、IAEAとOECD/NEAでの知識ベースシステム研究プロジェクトも推進し、この分野の世界の中核となっています。またZr-Nb系燃料被覆管材料を共同研究開発し、燃料安全性評価手法に関する研究も行っています。これらに加え、システム安全に関する研究を体系的に進めるため、産・官・学・学協会の協力の下に、原子力システムの地震安全、高経年化対策、燃料高度化に関する技術戦略ロードマップを策定しています。

担当の専攻・センター等

本務:原子力国際専攻
兼務:副学長(国際、日本語教育)

キーワード

システム安全、システム保全、原子力材料・燃料、照射損傷、高経年化対策

Nuclear
Reactor
Safety

高田 孝教授

TAKATA Takashi高田 孝教授

1970/愛媛
takata_t@n.t.u-tokyo.ac.jp

Website

工学におけるリスク理解の
深化と意思決定への寄与

絶対に安全な工学システムはありません。工学システムが潜在的に内在しているリスクを定性・定量的に理解することは、システムの安全性に真摯に向き合い、システム利用に関する意思決定を行う際の重要な要素の一つとなります。
原子力発電所のような大規模なシステムでは、リスクとして起こり得る事象は不確かさも大きく多岐に亘ります。これらを定性・定量的に評価するためには論理的な考察が可能な方法論が必要であり、関連する基礎実験だけではなく数値技術を援用した手法開発を行っています。
また、リスク評価から得られた情報にはどのような性質があり、意思決定にどのように関わるべきかを考察、検討することで、意思決定過程において効果的にリスク情報を活用できる素養を持った人材の育成を行っています。

担当の専攻・センター等

本務:リスク俯瞰工学講座
兼務:原子力国際専攻

キーワード

リスク評価、熱流動、数値シミュレーション、不確かさ、意思決定、原子力安全

Nuclear
Reactor
Safety

出町 和之准教授

DEMACHI Kazuyuki出町 和之准教授

1970/東京
demachi@nuclear.jp

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原子力と医療を
対象とした検知&診断

画像を応用したシステムの異常検知・診断の技術の開発と、医療と工学の融合分野として医用画像技術の開発を行っています。
①原子力発電所等における監視カメラ動画像時系列データ解析を用いた内部脅威者妨害破壊行為の検知技術、
②各種センサ信号の時系列解析による異常発生の予兆段階での検知、
③放射線治療装置X線画像解析を用いた腫瘍位置&形状追尾型放射線治療システム

担当の専攻・センター等

本務:原子力国際専攻
兼務:原子力専攻

キーワード

核セキュリティ、医用画像、異常検知、異常診断

Nuclear
Reactor
Safety

中山 真一特任教授

Shinichi Nakayama中山 真一特任教授

1958/福井
nakayama@n.t.u-tokyo.ac.jp

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トランス・サイエンスとしての
地層処分

高レベル放射性廃棄物の地層処分と原子力事故時の緊急時対応を取り上げる。
現世代が関知し得ない遠い将来に及ぶまで廃棄物を地下深くに定置する地層処分は、実証に基づく能動的管理による安全確保を当然視する従来のいわゆる安全工学とは異なる安全確保の考え方が必要かという点、および安全が確保されそうだとの科学的解(科学的合理性)が与えられたとしても、地層処分が社会に受け入れられるかどうかはその科学的解のみでは決めることができない、すぐれたトランス・サイエンスとしての問題であるという点に論議が多い。そのような問題の安全規制はどうあるべきかなど、これからさまざまなリスクと向き合わざるを得ないわれわれが取り組むテーマのひとつとして地層処分を考察する。
また、原子力事故に限らず、さまざまな災害における対応策についても、科学的解の導出は可能であれど、実際の避難などの対応がその解に必ずしも従わないという点で、地層処分と同じ性質を持つ課題といえる。昨今のコロナ禍下水害時対応において科学的論拠を必要とする避難対策が求められているように、まずは、原子力の安全規制上必要な、事故時緊急時対応について科学的論拠付けを試みる。

担当の専攻・センター等

本務:原子力国際専攻 国研連携講座「原子力安全マネジメント学」

キーワード

地層処分、事故時緊急時対応、科学的合理性、トランス・サイエンス、安全規制

Nuclear
Reactor
Safety

Marco PELLEGRINI 特任准教授

Marco PELLEGRINIMarco PELLEGRINI特任准教授

1984/イタリア・ミラン
marco@n.t.u-tokyo.ac.jp

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過酷事故現象調査のための混相流CFD

数値流体力学(CFD: Computational Fluid Dynamics)は、過去数十年にわたって単相の乱流へのアプリケーションで顕著な成果を上げてきており、現在は、多相およびマルチフィジクスの世界に挑戦しています。CFDは、小さなスケールでの物理現象を計算する能力を備えているため、本質的に幾何形状や問題の条件に依存しません。これは、原子力工学、特に過酷事故(SA: Severe Accident)分野で重要です。過酷事故は、非常に高温かつ過酷な条件での複雑な物理現象によって支配されていますので、研究者がその全体挙動を実験的に再現することは困難です。
多相のCFDによる評価は、SA現象を理解し、より安全で経済的な原子炉を設計するための強力な方法であり、社会的受容性の拡大につながることが期待されます。

担当の専攻・センター等

本務:原子力国際専攻

キーワード

原子力安全、数値流体力学、マルチフィジクス、シビアアクシデント

Nuclear
Reactor
Safety

三輪  修一郎准教授

Shuichiro MIWA三輪 修一郎准教授

1982/韓国ソウル
miwa@n.t.u-tokyo.ac.jp

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混相流が拓く技術イノベーション

異なる物性を持つ流体が混在する混相流は、原子炉をはじめとした工業分野や自然環境、人間の体内等、様々な時空間スケールにて生じる現象です。特に、気体と液体により形成される気液二相流の理解は、次世代原子炉や、熱交換機器、化石燃料輸送系等といったエネルギー・化学システム系統の設計や、安全な運転に重要となります。研究室では、混相流を軸とした実験・計算・理論の多角的なアプローチにより、次世代原子炉R&Dや産業技術イノベーションに向けたモデル開発を行います。国内プラント、電子機器メーカー、電力会社との共同研究をはじめ、国内外の研究室との交流を積極的に推進しています。

担当の専攻・センター等

本務:原子力専攻
兼務:原子力国際専攻

キーワード

原子力システム安全、熱流体工学、混相流、気液二相流、機械学習・深層学習

Nuclear
Reactor
Safety

村上 健太准教授

Kenta Murakami村上 健太准教授

1983/福岡
murakami@n.t.u-tokyo.ac.jp

ウェブサイト

未経験の物理現象と人や組織との関係をデザインする

安全に原子力エネルギーを利用するためには、経年化・自然災害・事故などの「未だ起きていない事象」を踏まえてシステムを設計し、その性能を検証し、それをプラントのライフサイクルを通じて維持する必要があります。
私の研究の出発点は、材料と放射線の複雑な相互作用が構造材料や核燃料の健全性に与える影響を評価する実験手法の開発でした。
その後、研究対象が徐々に、物質以外(例えば、メンテナンス活動、組織文化、規制など)へと拡がっていきました。
観察可能な現象をなるべく小さなプロセスに分解し、その相互作用を注意深く観察し、不確実な要素も考慮にいれつつ意思決定を行うという研究開発のアプローチは、とても汎用的なものです。
研究室の学生には、原子力システムの中に見られるモデル化の難しい複雑な現象の一つを取り上げて、様々な方法で分析します。in-situ観察 などの顕微鏡技術を使っている学生も、より社会科学的なアプローチに取り組んでいる学生もいます。
最近は、新しい原子力材料の開発に再チャレンジしたいと考え始めています。

担当の専攻・センター等

本務:レジリエンス工学研究センター
兼務:原子力国際専攻

キーワード

リスク情報を活用した意思決定、in-situ観察、照射試験設計、安全、材料

Nuclear
Reactor
Safety

勝山 仁哉特任准教授

Jinya Katsuyama勝山 仁哉特任准教授

1974/つくば
katsuyama@n.t.u-tokyo.ac.jp

原子炉の長期運転に伴う安全性を追究

ものづくりには材料や溶接が不可欠であり、製造後の施設・機器類の安全性確保には、材料劣化の程度の予測や溶接部等の点検等を踏まえた適切な維持管理が重要です。
私は、長期運転する軽水炉の安全性を確保するため、安全上最も重要性の高い機器の一つである原子炉圧力容器や配管の材料劣化について、そのメカニズムの理解を通じて予測する手法の研究をしています。また、溶接により生じる材質変化も考慮して、原子炉機器の構造健全性を評価するうえで重要な残留応力を精度よく評価するための研究開発を行っています。さらに、リスク情報を活用した維持管理等に係る意思決定等の実現を目指して、以上の技術を統合した確率論的健全性評価手法の開発を行うとともに、その実活用に向けた取組みを進めています。
東京電力福島第一原発の事故によって、溶融した燃材料が複雑な形状の原子炉機器の損傷に及ぼす評価や、その損傷程度を考慮した原子炉システムの安全性評価の重要性が改めて示されました。私たちは、我が国唯一の原子力の総合的研究機関である国研日本原子力研究開発機構と連携して、そのような評価手法に関する研究開発にも取り組んでいます。
すべての研究は安全に通ず。原子炉の安全に係る研究内容は材料から原子炉システムに至るまで多岐にわたります。若い皆さんの能力を発揮して一緒に研究しませんか。

担当の専攻・センター等

本務:日本原子力研究開発機構
兼務:原子力国際専攻 国研連携講座「原子力安全マネジメント学」

キーワード

材料、溶接、経年劣化、確率論的健全性評価、原子力安全

放射線応用 Radiation Sources , Detection & Measurement

Radiation
Sources ,
Detection &
Measurement

石川 顕一教授

ISHIKAWA Kenichi石川 顕一教授

1969/大阪
ishiken@n.t.u-tokyo.ac.jp

ウェブサイト

レーザーと原子・分子・
固体の相互作用

最先端のレーザーパルスが物質・生体中に引き起こす効果とその応用を、理論と第一原理計算によって研究しています。主要なテーマは「光と電子の量子力学シミュレーション」です。電子は、分子や固体の中で原子同士を結びつけ、化学結合や化学反応を担っています。電子は、エレクトロニクスデバイスや生体中で情報を伝達し、植物の光合成においては光を化学エネルギーに変換します。私たちは、光量子と原子・分子・固体中の電子がお互いに及ぼす作用を、量子力学にもとづいた第一原理シミュレーションで研究しています。このような研究を通して、生体分子への放射線影響、化学反応、光合成などにおける電子の動きを明らかにし、また、次世代レーザー加工シミュレーターを開発することを目指しています。

担当の専攻・センター等

本務:原子力国際専攻
兼務:光量子科学研究センター、理学系研究科物理学専攻

キーワード

レーザー、原子物理、量子力学、第一原理計算、レーザー加工

Radiation
Sources ,
Detection &
Measurement

工藤 久明准教授

KUDO Hisaaki工藤 久明准教授

1964/愛知
hkudo@nuclear.jp

量子ビーム
高分子材料科学

わたしたちのくらしを変え、産業をつくるポテンシャルを持ち、さらに、原子力の安全や宇宙開発にも貢献する「放射線化学」の研究をしています。とくに、高分子に力点をおいて、ガンマ線、電子線、イオンビーム等を用いた、高分子材料の放射線化学・反応機構・照射効果の研究をおこなっています。放射線利用に加えて、原子力・放射線施設周辺、宇宙空間等の放射線環境での高分子材料の耐久性、劣化機構の研究もおこなっています。いろいろなことに興味を持ち、勉強したうえで、とくに放射線・量子ビームの引き起こす現象の解明と実用展開に興味を持ち、好奇心・チャレンジ精神の旺盛な人を期待します。

担当の専攻・センター等

本務:原子力専攻
兼務:原子力国際専攻

キーワード

放射線化学、放射線利用、高分子材料、放射線劣化

Radiation
Sources ,
Detection &
Measurement

坂上 和之准教授

SAKAUE Kazuyuki坂上 和之准教授

1982/埼玉
To be Developed

ウェブサイト

光・量子ビームを作る、・
使う、そして創る

光・量子ビームは社会で幅広く活用されています。光としてのレーザーは皆さんが今この画面を見ているPC/スマートフォンにきっと搭載されていますし、量子ビームとしての放射線は医療やインフラ診断など社会活動を支えるとともに、量子ビームから得られる放射光は様々な新製品開発に利用されています。光と量子ビームは別のモノのように思われますが、例えば半導体製造においては、使用する光が年々短波長化し、EUV(極端紫外光:波長13.5 nm)が使われ始めました。これはもう放射線と呼んでも良い領域で、その垣根はどんどん低くなっていくことでしょう。この新しい融合領域を発展させるため、レーザーや加速器、それらの融合による新たな光・量子ビーム源の開拓や加速器の小型化などを進めることで、応用分野を広げていきます。最近では、レーザー加工への応用なども行っています。
本研究室は立ち上がったばかりで、レーザーや加速器などを用いた研究装置をイチから設計・製作していきます。加速器科学/光科学/真空技術/材料科学/光・量子ビーム応用など幅広く学べ、自らのアイデアが詰まったシステムを構築できるチャンスに一緒に楽しく研究しましょう。

担当の専攻・センター等

本務:原子力専攻
兼務:原子力国際専攻

キーワード

光・量子ビーム、加速器、レーザー、量子ビーム利用、レーザー加工

Radiation
Sources ,
Detection &
Measurement

高橋 浩之教授

TAKAHASHI Hiroyuki高橋 浩之教授

1960/東京
leo@n.t.u-tokyo.ac.jp

ウェブサイト

放射線診断・治療から
線量計測・超伝導センサまで

医療ならびに先端科学へ放射線を応用する研究を進めており、放射線画像診断や放射線治療から線量計測・物理計測などの研究を行っています。たとえば、がん診断用の小型ポジトロンCT(PET)、体内に検出器を入れる新しいPET、腫瘍部分を選択的に治療する中性子捕捉療法(NCT)、核物質分析のための高性能超伝導転移端センサ(TES)、除染のための放射線イメージング技術、新しいマイクロパターンガス検出器、中性子散乱実験用検出器、ワイヤレスセンサによる原子力プラント診断等を行っています。本学医学部、放射線医学総合研究所、原子力研究開発機構、UCバークレー、ミュンヘン工科大学、ラウエ・ランジュバン研究所、SPring-8などと協力して研究を進めており、外国人留学生が多くいるのも特徴です。

担当の専攻・センター等

本務:総合研究機構
兼務:原子力国際専攻、バイオエンジニアリング専攻

キーワード

放射線計測、医用診断、医学物理、イメージング

Radiation
Sources ,
Detection &
Measurement

長谷川 秀一教授

HASEGAWA Shuichi長谷川 秀一教授

1966/東京
hasegawa@n.t.u-tokyo.ac.jp

ウェブサイト

レーザー光を利用した
同位体レベルの制御・検出

レーザー技術の進展に伴い、光を含めた量子ビーム利用技術も、光核反応、レーザー冷却、イオンビーム制御など著しい発展を遂げています。また電磁場を用いた質量分析技術も高度化しています。そこで、このような先端技術を単一原子レベルでの操作・検出という観点でシステム化するための研究を進めています。例えば、レーザーによりイオンを操作することで、1つ1つのイオンを可視化できるようになっています。この技術を、原子力をはじめ、医療、トレーサー利用、環境や核セキュリティなど広範な分野での利用を目指しています。これらを実現するための装置は世の中にないことから、レーザー光源から真空系や検出系など多くの装置を研究室で設計・製作しています。装置設計のために必要となる荷電粒子軌道シミュレーションから、半導体レーザーシステムの製作まで広範な分野に及びます。どなたにも興味の持てることがありますので、是非一緒に研究をすすめましょう。

担当の専攻・センター等

本務:原子力専攻
兼務:原子力国際専攻

キーワード

レーザー利用工学、先端量子システム、同位体プロセス工学、核燃料サイクル工学、原子分子光化学物理

Radiation
Sources ,
Detection &
Measurement

松崎 浩之教授

MATSUZAKI Hiroyuki松崎 浩之教授

1966/神奈川
hmatsu@n.t.u-tokyo.ac.jp

ウェブサイト

加速器質量分析による
高感度核種分析

加速器により生成されたイオンビームを用いた微量核種分析手法の開発とその応用研究を行っています。
地球環境中には、宇宙線や人為的な核反応で生成した微量の長半減期放射性同位体が存在し、過去の気候変動の記録や現在の物質動態の情報を保持していますが、その多くは未知のものです。本研究室では、加速器質量分析法(AcceleratorMassSpectrometry)による新しい核種の分析法の開発を行っています。また、新たに分析可能となった核種が持つ情報を生かした、地球環境中の新しい同位体システムの研究を行っています。最近では、高感度なヨウ素129(129I)の分析手法(129I-AMS)を開発し、地球環境中におけるヨウ素同位体システム(129I/127I)の研究を進めてきました。自然環境におけるヨウ素のグローバルな循環や炭素循環との関係、人為起源の129Iの分布状況などが分かってきました。福島第一原子力発電所事故後は、129Iによる、事故当初の131Iの放出状況や分布の再構築も重要なテーマとなっています。加えて今後は、36Cl-AMSの高感度化、アクチノイド系(ウラン、プルトニウム)AMSの開発に取り組みます。これらの核種は、原発事故の環境影響評価の上で重要であるばかりでなく、自然環境中の新たな物質トレーサーとしても大変有望です。

担当の専攻・センター等

本務:総合研究博物館
兼務:原子力国際専攻

キーワード

加速器質量分析、ヨウ素同位体、福島第一原子力発電所事故、環境影響評価、地球環境

Radiation
Sources ,
Detection &
Measurement

森本 裕也特定客員准教授

SAKAUE Kazuyuki森本 裕也特定客員准教授

1987/和歌山
yuya-morimoto@g.ecc.u-tokyo.ac.jp

ウェブサイト

アト秒原子ビーム
イメージング

速すぎて、小さすぎて、従来の技術では観測できない現象の可視化に挑んでいます。私達の武器は、超短電子ビームと超短パルスレーザーです。次世代の電子顕微鏡である、アト秒電子顕微鏡を開発することで、オングストロームの世界で起こる超高速の現象、特に、化学反応の初期過程における電子密度分布の超高速の変化を可視化しようとしています。実務は、電子ビームの発生や散乱についての理論研究から、シミュレーションソフトを用いた電子銃・電極や電磁レンズの設計、CADによる超高真空装置の設計と開発、超短電子ビームを使った高速現象の観測、高強度フェムト秒レーザーを用いた様々な波長の光源の開発、レーザー光による電子ビームの操作技術の開発まで多岐に渡ります。研究テーマは、配属者の希望に応じて設定いたします。研究活動は、埼玉県和光市にある、理化学研究所にて行います。

担当の専攻・センター等

本務:理化学研究所
兼務:原子力国際専攻

キーワード

電子顕微鏡、超短パルスレーザー、物理化学、光物性物理学

Radiation
Sources ,
Detection &
Measurement

山下 真一准教授

YAMASHITA Shinichi山下 真一准教授

1979/奈良
shin1@tokai.t.u-tokyo.ac.jp

放射線が物質にもたらす
“変化”の初期ダイナミクスの解明

原子力分野における問題の多くは放射線抜きには考えられません。一方でがん治療(医療)や材料創成(産業)において放射線は欠かせないツールとなっています。短所を最小限に抑え長所を最大限に活かすためには、放射線がもたらす現象を知っておく必要があります。私たちはピコ秒(1兆分の1秒)からマイクロ秒(100万分の1秒)までの間に起こる物理化学から後続の化学反応、さらには生化学との境界までを対象とし、放射線が物質中にもたらす“変化”の初期ダイナミクスの解明に取り組んでいます。
がん治療関連では、“微量添加薬剤による放射線防護/増感”、“放射線で生じた電子によるDNA損傷”、“がん治療用重粒子線による水分解”、“ポリマーゲル線量計開発”、原子力関連では、“海水成分(ハロゲン化物イオン)の化学形態変化”、“水素発生への沸騰の影響”、“金属酸化物ナノ微粒子との界面での水の放射線分解”、等に取り組んでいます。特に界面での放射線効果は未開拓で挑戦しがいのある領域です。

担当の専攻・センター等

本務:原子力専攻
兼務:原子力国際専攻

キーワード

放射線誘起現象(物理化学から生化学)、がん治療、DNA損傷、原子炉水化学

Radiation
Sources ,
Detection &
Measurement

島添 健次准教授

Kenji Shimazoe島添 健次准教授

1981/福岡県
shimazoe@g.ecc.u-tokyo.ac.jp

ウェブサイト

革新的量子計測による医学診断治療と放射線科学

量子イメージング、量子計測、量子センサ、放射線計測、医学診断治療をキーワードに全く新しい量子計測技術を研究開発することで、これまで見えなかった現象を可視化し、医学や環境・原子力の新たな展開を生み出すことを目指して研究を行っています。
例えばX線の光の粒を正確に計測する低被ばく型の次世代CT、電子の反物質を用いた生命機能を明らかにする陽電子断層撮像(PET positron emission tomography)、放射性同位体を用いた新たな治療・診断融合技術、X線・中性子非破壊分析イメージング手法の開発、廃炉のためのロボット連携センシング技術の研究、原子核と放射線に関する研究、量子もつれ光を用いた計測方法の研究、量子ドットのナノ粒子を用いた光放射線融合技術の研究などを行っています。研究室ではこれら原子・原子核を用いた新たな医学診断治療や放射線科学・原子力学を構築していきます。分野(物理・電気・化学・生命科学・情報・工学・医学)を問わず独自のアイデアを議論して研究できる意欲的な学生を歓迎します。

兼担の専攻・センター等

本務:原子力国際専攻
兼務:バイオエンジニアリング専攻

キーワード

量子イメージング、量子計測、量子センサ、放射線計測、医学診断治療

モデリング&シミュレーション Advanced Modeling & Simulation

Advanced
Modeling &
Simulation

小宮山 涼一准教授

KOMIYAMA Ryoichi小宮山 涼一准教授

1975/神奈川
komiyama@n.t.u-tokyo.ac.jp

ウェブサイト

エネルギー安全保障の
数値シミュレーション分析

エネルギー資源の枯渇や供給途絶などのリスクを考慮して、エネルギー安全保障問題の解決に役立つ方策を考えるには、技術のみならず、経済学などを幅広く理解し、俯瞰的に分析することが必要です。私たちは、エネルギー問題の本質を工学的、社会科学的視点から理解した上で、様々な数理的手法を用いて計算機上にエネルギーモデルを構築し、その数値シミュレーション分析を通じて、技術や政策の分析に従事しています。様々な分野の数理的分析に興味があり、エネルギー問題に好奇心をもつ学生を期待します。エネルギーや原子力以外の分野(物理、化学、土木、機械、電気、経済等)の出身の学生も大歓迎です。

担当の専攻・センター等

本務:原子力国際専攻
兼務:レジリエンス工学研究センター(講義)

キーワード

エネルギー安全保障、エネルギー経済モデル、最適化、計量経済分析

Advanced
Modeling &
Simulation

酒井 幹夫准教授

SAKAI Mikio酒井 幹夫准教授

1973/静岡
mikio_sakai@n.t.u-tokyo.ac.jp

ウェブサイト

革新的マルチフィジックス
シミュレーション

粉体/混相流が係わるマルチフィジックスシミュレーション技術は、原子力工学はもちろんのこと、化学工学、機械工学、食品工学、製剤をはじめ幅広い分野に応用できます。原子力工学における数値シミュレーションの技術レベルは、計算対象が過酷環境となるゆえに、極めて高い水準にすべきと考え、当グループは粉体/混相流の数値シミュレーション分野において世界を牽引する計算技術を開発しています。民間企業との共同研究や海外の研究機関との国際共同研究を通じて、研究で培われた技術が社会に還元されていくことを実感しています。物理モデルの開発、並列計算アルゴリズムの開発、シミュレーションの可視化技術の開発、粉体・混相流が係わる複雑な現象の解明に関する研究に取り組みたい学生を歓迎します。旺盛な好奇心を持ち、何事にも謙虚に取り組む姿勢を心がけ、充実した学生生活を送ってください。

担当の専攻・センター等

本務:レジリエンス工学研究センター
兼務:原子力国際専攻、Imperial College London(客員准教授)

キーワード

シミュレーション、粉体、混相流、コンピュータグラフィックス

Advanced
Modeling &
Simulation

佐藤 健准教授

SATO Takeshi佐藤 健准教授

1980/長野
sato@atto.t.u-tokyo.ac.jp

ウェブサイト

高強度レーザー場中の
多電子ダイナミクス

超短パルス高強度光源を用いて物質中の電子の運動を直接観測・操作する高強度場科学・アト秒科学が発展しています。とくに実験の精密化に伴い、有効一電子描像を超える多電子ダイナミクスや電子相関の効果に関心が集まっています。トンネル電離、高次高調波発生、超閾電離、非逐次二重電離などの非線形・非摂動論的現象を第一原理的に記述するために、レーザー場中の多電子原子・分子に対する時間依存シュレーディンガー方程式を数値的に解くための世界最先端の理論・方法論開発を行っています。理論と数値シミュレーションを駆使して高強度レーザーと物質の織りなす新しい物理を開拓したいと考えています。

担当の専攻・センター等

本務:原子力国際専攻
兼務:光量子科学研究センター

キーワード

高強度場科学、アト秒科学、波動関数理論、密度汎関数理論、量子化学

Advanced
Modeling &
Simulation

藤井 康正教授

FUJII Yasumasa藤井 康正教授

1965/福岡
fujii@n.t.u-tokyo.ac.jp

ウェブサイト

エネルギー・経済・環境
システムの評価と分析

コンピュータ上に大規模数理計画問題として構築した世界エネルギーモデルを用いて、各種のエネルギー供給技術の可能性や、エネルギーセキュリティーの向上策や地球温暖化対策などの政策評価を試みています。また、ゲーム理論や金融工学、そしてマルチエージェントシミュレーションの手法を用いて、電力市場の制度設計や、エネルギー調達の最適戦略立案などのエネルギーマネージメントの研究も行っています。
私は電気工学科の出身です。エネルギー問題全般をバランスよく把握するためには、原子力エネルギーに関する正確な知識と経験に基づく感覚が重要なように思います。

担当の専攻・センター等

本務:原子力国際専攻
兼務:レジリエンス工学研究センター

キーワード

エネルギー経済システム、技術政策評価、最適化、確率計画

材料 Materials in Extreme Environments

Materials in
Extreme
Environments

阿部 弘亨教授

ABE Hiroaki阿部 弘亨教授

1966/大分
abe.hiroaki@n.t.u-tokyo.ac.jp

材料開発から目指す
究極の原子力安全

地球規模の課題や原子炉事故を受けて、原子力安全を支える材料の重要性は高まっています。私たちは、将来のエネルギー源として期待される核融合炉や新型原子炉(第IV世代炉)の開発、および現行原子炉の安全性向上に資する材料研究を進めています。原子炉という極限環境における鉄鋼材料やZr合金の劣化(照射、腐食、水素化、等)のメカニズムを、微細組織分析と機械強度測定から解明しています。それを発展させ、新材料や新しい試験法も開発しています。研究手法は多彩で、顕微鏡法として透過電子顕微鏡(TEM)、超高圧電子顕微鏡(HVEM)、加速器結合型電子顕微鏡、走査電子顕微鏡(SEM)、電子後方散乱回折(EBSD)等、また機械試験法として改良型中子拡管(A-EDC)試験、引張試験、クリープ試験、ナノ硬度等、さらに理論的評価として有限要素法(FEM)や分子動力学法(MD)を活用しています。

担当の専攻・センター等

本務:原子力専攻
兼務:原子力国際専攻

キーワード

原子炉、核融合炉、原子力材料開発、極限環境下劣化メカニズム、照射損傷、放射線物性工学

在学生向けコンテンツ

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